居酒屋バイトのコツ「ベテランバイトリーダーの体験談」

私は20代のころ居酒屋アルバイトを生活の柱として生活していました。

地元から夢を追いかけて上京し、一人暮らしをしながら始めた居酒屋のアルバイトを7年間続けました。

居酒屋という職業柄、アルバイトスタッフはほとんどが大学生を占めている中、当時は一番の古株としてバイトスタッフのまとめ役を務めさせてもらっていました。

「いやいや、たかがバイトでしょ?笑」と言われるかもしれませんが、私は誇りをもってこの仕事に取り組んでいましたし、幸運なことに、オーナーをはじめ、社員、先輩、後輩アルバイトスタッフにも恵まれ、毎日楽しく仕事をすることができました。

もしかしたら、私がこの居酒屋バイトで気付いたことがあなたの役に立ち、つまらないと感じていた、いやいやだけど仕方なく働いていた職場が少しでも楽しくなるかもしれませんし、諦めかけていた夢をまたもう一度真剣に追いかけてみようと奮起できるかもしれません。

たかが居酒屋、されど居酒屋。

ただのアルバイト、信頼できるアルバイトリーダー。

日々生きるため仕方なく働く職場、夢を叶えるための成長の場。

事実はひとつですが、解釈はいかようにもできます。

これが自然と心からそう思えるようになれたら、もっと自由で豊かな人生を送られるはずです。

さて、今回は私が居酒屋でバイトリーダーを任されてきた体験をもとにバイトリーダーの考え方をアルバイトのコツとしてお伝えできればと思います。

しかし、これからお話しすることは、ベテランのアルバイトスタッフだけでなく経歴や年齢は全く関係なく、どのレベルのアルバイトスタッフにも役立つ本質的な考え方だと思っていますので、「私はバイトリーダーになりたいわけではないから」とか「僕はまだ新人だから」と無関心にならずに最後まで読んでいただけたら幸いです。

そもそも、この記事を読んでくれているあなたは「居酒屋でのアルバイトのコツ」が知りたくてこの記事に辿りついたのですから、仕事に対して積極的で能動的に取り組もうとしているのでしょう。

その時点で将来的にはバイトリーダーになる素質があり、他のスタッフを先導していけるだけの才能があるのだと思います。

そうなるには、まだ経験も実績も技術も知識も足りないかもしれませんが、気持ちさえあればそれらは後からなんとでもなりますから、諦めずに居酒屋でのアルバイトを続けていってほしいと思っています。

偉そうなバイトリーダーにならないための立ち位置のコツ

バイトリーダーにはバイトリーダーの立ち位置というものがあります。

①社員からの指示をアルバイトスタッフに伝える。
②アルバイトスタッフからの要望・不満を吸い上げて上に伝える。

大きく分けると上記の2点かと思いますが、うまくいかないバイトリーダーは①ばかりを気にして②をおろそかにしてしまいます。
それにより、他のアルバイトスタッフから「偉そうなバイトリーダー」と思われ、敬遠され確執が生じ関係性に溝ができてしまうのです。
ですから、②に重きを置く方が中立の立場でうまく立ち回れるのです。

バイトリーダーというのはその名の通り、アルバイトスタッフのリーダーなのですから、他のスタッフの見本となるとともに、皆をけん引できるリーダーシップと統率力・信頼がなければいけません。

ですから、上記で言えば、①よりも②を徹底的に追及して、必要であれば社員(上司)と真っ向から戦う姿勢も必要で他のアルバイトスタッフの盾となるようなこともしなければいけないのです。

そのスタンスを崩さないことが結果的に周囲から大きな信頼を勝ち取ることにつながるのです。

とは言え、社員はアルバイトスタッフの敵だと対立しろと言うわけではなく、あくまでも、客観的に全体の利益を第一に「全体的に見てここはこうしたほうが良いのではないか?」と判断したときにはそれを意見・提案するというスタンスです。

敵はどこにもなく、社員もバイトもお客様も皆が意見を言い合い議論できる関係性を構築し、より良いサービスの提供ができるお店を作り上げていくためのハブ・潤滑油になることが、バイトリーダーの役目・立ち位置だと思います。

「社員でもないたかがバイトリーダーがそんな大げさな」と思うかもしれませんが、私はそのくらい大きな枠組みでバイトリーダーというポストを捉えて仕事していましたし、社員やアルバイトスタッフ、お客様から大きな信頼をいただけたのかもしれません。

ホールとキッチンどちらでも働けるアルバイトスタッフを目指す

居酒屋のアルバイトでは主にホールとキッチンでの仕事に大別されます。

その中でも、洗い場やドリンク場、キッチンについてはサラダ場、焼き場など、いろいろな仕事がそれぞれの担当者が付いて仕事しています。

それら仕事の境目がはっきりしていて、この仕事はこの人以外はやらないという職場もありますが、ほとんどの場合、各アルバイトスタッフがいくつかの仕事場を担当できるよう教育されています。

例えば、スタッフの急な欠勤でシフトに穴が開いたときに補填しやすくなりますから、自ずとホールだけでなくキッチンでも通用するスタッフは重宝され待遇も良くなります。

バイトリーダーになるスタッフは、当然長期間その職場に勤めており、いろいろなポジションでの業務をある程度経験していなければなりません。そのうえで、各ポジションを総合して全体を俯瞰して意見を言えたり、指導ができる人間がバイトリーダーとして最適だと考えます。

もし、あなたが今後バイトリーダーを目指しているのであれば、1つのポジションだけにこだわらず、様々なポジションで活躍できるようになるのがバイトリーダーへの一番の近道です。

上にも書きましたが、1つのポジションの仕事だけにとらわれると視野が狭くなってしまいますから、もっと全体を見渡せるような広い視野を持つためにも、一通り全てのポジションをできるようになることが先決です。

1つのポジションの仕事だけをしていると、他のポジションで仕事をしているスタッフに対して、疑念や不満が出てきます。

それはどういうことかというと、その人がいつも何の仕事をしているのか良く分からないので、「自分はこんなに頑張っているのにあそこのポジションは楽をしている」などと勘違いをしてしまうのです。

その人は別段仕事をさぼっているわけでもなく、そのポジションの仕事を一生懸命やっているにも関わらず、見方によってはだらだらやっているように見えるときがあります。
隣の芝は青く見えるのです。

それはやはり全体の仕事をひとつひとつ把握できていないから起こる考え方なのです。

そうなってしまうと、仕事に対するモチベーションもなくなり目標までも見失ってしまいますので、いつもお店全体を斜め上から見るぐらいの経験と余裕を持つために、最低限各ポジションがどのような仕事をしているのか知っておくことが必要なのです。

お店の目標はあくまでも「売上(利益)を上げること」ですから、スタッフ同士、ポジションごとに足を引っ張り合っても何の意味もありません。

皆が一丸となってより良いお店を作っていけるよう、マルチに働けるバイトリーダーを目指しましょう。

バイトリーダーが使うべき「魔法の一言」とは?

居酒屋でのバイトは体力的にきつい仕事も多く正直大変だと感じることも多々あります。

もちろん、大変さはお店の大きさ(席数)とそれに対して働いているスタッフ数、勤務時間など様々な要因にもよりますが、それでも日本経済は不景気まっただ中ですから、経営者は当然コストを削ることを一番に考え、利益を得ていかなければなりません。

そこで、コストとして一番初めに削るべきなのが「人件費」というのがセオリーです。

必要最低限のスタッフ数で営業することで利益を最大化できるようになるのですが、雇われている側としてはいつもギリギリの状態で働かなくてはなりませんから、非常に過酷できつい職場にならざるを得ません。

毎日が戦場のような、そんな状況の中、それが日常として慣れている社員やベテランアルバイトスタッフならまだしも、
まだ経験の浅い新人スタッフや若い学生スタッフにしたら、テンパってしまうのも当然です。

では、そんな時、バイトリーダーとして、バタバタしている状況の中何をどう動いたら良いか分からずあたふたしているスタッフに対して、どのような言葉をかけてあげたら良いでしょうか。

「何をやっているんだ!」と頭ごなしに叱るのは論外として、「もっと落ち着きなさい」とクールダウンさせますか?

それとも「まずはこれをこうして次は・・・」と、具体的な仕事を指示しますか?

私なら笑顔でこう言います。

「大丈夫だよ」

この一言は、魔法の言葉です。

この言葉を言われたスタッフは安心し、どんなに忙しくてもふと我に返り、一呼吸おいて自分を客観的に見られるようになります。

「たとえ失敗したとしても、助けてくれるリーダー(先輩や仲間)がいる」

「大丈夫ですよ」という言葉には人を心から安心させることができる力があるのです。

スタッフにこの言葉を言う前に、まずは自分自身に「大丈夫だ」と心の中で言ってみてください。

そして、同じことをスタッフに余裕のある笑顔を作って伝えてみてください。

きっと、それを言われたスタッフは心の底から安心し、仕事にも落ち着きを取り戻し、あなたのことをすごく頼りにしてくれるはずです。

バイトスタッフから「聴く」時間を大切に

新人のアルバイトスタッフは、初めてのアルバイト経験、社会に出てお金を稼ぐことの大変さを痛感しながら、日々自分なりに一生懸命働いています。

その中でいろいろと悩みや疑問、不満が出てきたときに、それを聴いてあげるのがバイトリーダーの役目だと思います。

ここでいう「聴く」とはただ「聞く」というのではなく「傾聴」するという意味です。

耳を傾けてその人を思いやって心で聴いてあげる姿勢です。

社員には少し言いづらい不満や、同年代のスタッフに相談してもなかなか解決できないような技術的な悩みなど、ベテランとして、先輩として、同じアルバイトスタッフの間柄として、親身になって聴いてあげることでよりお互いの関係性が深まります。

そのためには、本当にちょっとした些細なことでも聴いてあげられるように、常に受け入れ態勢を取っておくことが大切です。

仕事中少し時間が空いたら話しかけてみる、仕事の中でなかなか時間が取れないのであれば、仕事の後に飲みに誘うなど、それ以外の時間を使ってあげることもスタッフの信頼を得るためには必要です。

あなたにとっては、アルバイト以外のプライベートの時間は、仕事から解放されて一人でリラックスするための時間や、夢に投資するための貴重な時間なのですが、その時間をほんの少し悩んでいるアルバイトスタッフの仲間のために使ってあげることで、その後の仕事上の意思疎通も円滑に図ることができるようになります。

長い目で見ればお互いにメリットのある価値の高い時間の使い方ですので、あなたもぜひ積極的に聴く時間を作ってみてください。

バイトリーダーに選ばれるコツ

バイトリーダーに抜擢されるには、業務の経験、スキルが伴っていることはもちろん、それ以上に高い人間性が求められます。

人として信頼できないスタッフには、当然重要で責任のある仕事も回ってきません。

ですから、あなたがバイトリーダーを目指しているのであれば、周囲のスタッフ、上司としっかりとした人間関係を作り上げましょう。

重要なのは、上司の社員、先輩のみに良い顔をするのではないということです。
これは先述しましたので繰り返しになりますが、むしろ、どちらかと言えば、後輩スタッフ、新人スタッフから信頼されることのほうが大事です。

下からの不満を親身になって聞き入れ、それを上に代表として提案する。

理不尽な理由で聞く耳を持ってもらえないようであれば、上司であろうと噛みついて、納得できるまで話し合ってもらうくらいの姿勢が理想です。

その他、周囲から信頼を得るためには、しっかりと約束を守ることも必要不可欠な要素です。

頼まれた仕事に対しては、求められているレベルを上回るレスポンスをすることで、信頼度はさらにアップします。

例えば、30分で終わらせるよう頼まれた仕事を25分で終わらせる。

シフトや業務上のメールについては可能な限り受信後できるだけ早く返信する。

出勤時は誰よりも早く店に行き働ける準備を整える。

などです。

これら当たり前だけどなかなかできない地道なことを徹底してやることで、周囲からの信頼は自ずとついてきます。

信頼を得るにはこつこつとひとつひとつのことを丁寧に続けるしかありません。

あまり目立たない地味なことですが、主張しなくても必ず誰かがあなたのことを見てくれていますから、結果を信じてやり抜きましょう。

これが、バイトリーダーとしてお店で一番信頼されるための、一番の近道だと思います。

ただ、逆に、せっかくこつこつと地道に積み上げてきた信頼も崩れるのは一瞬ですので、これについては細心の注意を払わなければなりません。

これについての失敗談については、また機会があればお話しします。

以上、意識の高いあなたであればどれもどこかで聞いたような当たり前のことばかりだと思います。

しかし、そんな当たり前のことが、いざ仕事となるとできない人が多く、だからこそ、当たり前のことがきっちりできる人がリーダーになるというのは必然のことだと感じます。

今回お話ししたポイントをひたすらやり続けることで、あなたは他のスタッフよりも頭一つ分抜きんでることがきっとできますから、ぜひ今日から早速実践に役立ててみてください。

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